先日、赤はなせんせいとして知られる副島賢和(そえじま まさかず)先生のお話をオンラインで聞く機会がありました。
副島先生は、昭和大学大学院准教授であるとともに、附属病院内で院内学級の先生をされています。
そんな副島先生が、「休校明けの子ども達に、いま大人ができること」という切り口でお話をしてくださった講座でした。
病気で入院してくる子たちの学びを考え実践を重ねられてきた副島先生のお話は、はっと気づかされたり考えさせられたり、学びの多い講座でした。
また、子どもの不登校から学びを考えホームエデュケーションを実践している世話人が、普段考えていることとの共通点も多く感じた時間でもありました。
今回のお話は不登校だけでなく、
臨時休校明けのお子さんの周りにいる大人――保護者さん、先生ほか――の方たちにとっても、参考になることが多いお話だと思ったので
こちらのブログでも紹介させていただきますね。
副島先生のお話は、
子どもにとっての学びとは、を考えるときに
主語が誰か、主体が誰かを意識していますか?という問いかけから始まりました。
そして、次のような例を紹介してくださいました。
子どもが入院してきたとき、子どもが勉強をすると言うと
学校の先生や親など大人たちは
「大丈夫、大丈夫。いま勉強しなくても大丈夫だよ。勉強なんてすぐに追いつくんだからさ、今はしなくていいよ。今は病気を治すことが大事なんだから、ゆっくり休みなさい」
と、簡単に、平気で言う。
だけど、
その子どもは勉強したい。出来るようになりたい。分かるようになりたいんです、と。
このお話は、私がずっと気にしていた問題点をズバリと指摘されていました。
子どもが不登校になったとき
つい私たち大人は、同じような言葉がけをしてしまわないでしょうか。
確かに、心のエネルギーが著しく落ちている状態でなお勉強をすることに
意味はないでしょう。
そのことについて、副島先生も講座の中で
「調子が悪くなると勉強をしたくなる子」の例を挙げておられました。
子どもによっては
「自分が学校に行けないことで生じる心の不安を消すために勉強をしている」
こともある、ということです。
そういう子は、例えば勉強をしていてもゲームや別のことをしていても
しんどそうな表情をしている、と。
そういう時には、その子と話をすることで
その子の不安に思っている感情を受け取ってから
「せっかく入院したんだから、だから今しか出来ないことを一緒に考えよう」
と、別の学びの方法を提案するそうです。
また、自分自身の病気のことで不安でいっぱいになって
エネルギーがなくなっている子には、
「何やりたい?」と聞いても
「どっちでもいい」「先生決めて」と返ってくることがあるそうです。
そんな時には、それ以上エネルギーが減ってしまわないように
その子のエネルギーがたまるように一緒に考えていくそうですが、
大抵は、その子が好きなことをやることが多いとのことでした。
子どもの不登校に対して
〝学校の勉強なんてしなくても、すぐに追いつくんだから、まずは一旦休ませましょう〟というセオリーもあるでしょう。その裏には、確かに、今までの経験の蓄積から導き出される一定の真実も含まれていると思います。
ですが、そのセオリーも、状況次第で話が違ってくることを
受け手である私たちは考えていった方がいいかもしれないですね。
そのセオリーは
誰に対しても有効なのでしょうか?
どんな状況ででも正解なのでしょうか?
その「いかにも物分かりがよさげな」言葉掛けが、
もしかしたら、余計に子どもの心を苦しめたり
親子の新たな分裂を有む結果になっていないでしょうか?
これが、私自身、ホームエデュケーションで子どもを育てながら
たくさんの保護者さんのお話を聞かせてもらいながら
ずっと気になっていたことです。
あなたの目の前のお子さんは
学校には行けなくても、「学びたい」と思っていませんか?
そして、どんなことを学びたいと思っているのでしょう?
あなたが考える学びとは別の方法や違うジャンルのことを
「学ばされ」るんじゃなくて「学びたい」と思っていませんか?
不登校になったことで、出来ることまで諦めていませんか?
「せっかく不登校になったんだから」
いま出来ること、いましか出来ないことを
お子さんと一緒に考えてみませんか?
講座の冒頭に副島先生が話された
「子どもにとっての学びとは、を考えるときに主語が誰か、主体が誰かを意識していますか?」
という問いかけを、私はこれからも忘れないようにしていきたいと思います。
また、副島先生は
「ケアする人のケアも必要」ということを仰っていました。
子どもの〝助けて〟の声を一人で支えるのは大変です。
支える大人自身が〝助けて〟〝手伝って〟と言える仲間を持つこと。
自分の黒いところも含めて
良い・悪いの価値づけをせずにゆっくりと話を聞いてくれる場や仲間を持つことの大切さに触れてらっしゃいました。
まさに、子どもが不登校になった時に
私たち親の会が果たせる役割の価値を教えていただけたように思います。
最後に
「休校明けのいま、大人はどうするべきか」という問いに対する
副島先生の言葉が、とても印象に残ったのでご紹介しておきたいと思います。
✨まずは子どもの力を信じる、信じ切ること。それは、どういうことか。
今回のような困難に立ち向かうとき、大人は子どもを「守らなければ」と思うものですが、困難に立ち向かうチームを作るときに、子どもは真ん中に置かなくてもいいのではないでしょうか。
真ん中に置くのは子どもではなく、それぞれのチームが抱えている困難や課題。
そして子どももチームの一員。
子どもがヒントや力を与えてくれる場面もたくさんあります。
子どもも含めて、メンバーが力を合わせて、補い合って、支えあって
ということが、とても大事なのでは。
それが、子どもを信じるということなのではないでしょうか✨
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すべての子どもは、生きる権利・育つ権利を持っています。(子どもの権利条約)
子どもが、自分に誇りをもって生き生きと育つために。
その子がその子自身を認め、その子自身の力で成長していけるように。
その子が、その子の持てる力を存分に発揮できるために。
そんな視点で、お子さんの成長を考えてみませんか?
Will be smile親カフェに参加することで
まずは保護者さんご自身の肩の力を抜いてみてください。
そして、あなた自身の持てる力を思い出して✨
いま自分ができること、たくさんありますよ。
その子のお父さん、お母さんにしかできないことが。
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Will be smile 親カフェ
6月22日(月) 14時~16時半
明日都浜大津4階 ふれあいプラザ和室にて
参加費 500円
定員 3名
持ち物 ドリンク
お申し込みは
willbeeesmile@gmail.com
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今回は密を避けるため、3名さま限定とさせていただきます。
お飲み物は、ご自身でご準備ください。
ご自宅を出られる前には検温をお願い致します。37度5分以上のお熱のある方、咳・くしゃみ、倦怠感等の体調不良を感じる方は、参加をご遠慮ください。
会場セッティングの都合上、今回は開始時間を14時からとさせていただきます。
では、お待ちしております!